【受注もリセールも好調!】ジープ ラングラーがマイナーチェンジを実施。プライスダウンも含めた改良内容を試乗で確認!

【受注もリセールも好調!】ジープ ラングラーがマイナーチェンジを実施。プライスダウンも含めた改良内容を試乗で確認!

2024年7月6日

現在のJL型と呼ばれるラングラーが2018年に登場してから、6年。初のマイナーチェンジ(MC)モデルが24年5月に上陸しました。いまや、ジープブランドのトップセラーだけではなく、ステランティスグループ全体でも1番の稼ぎ頭にまで成長したラングラー。MCモデルの詳細とともに試乗記をお送りいたします。

■時代に逆行するプライスダウン

ラングラーは、軍用車のウィリスがルーツの本格オフロード4WD車。SUVとひとくくりにすることもはばかれるほど、たぐい稀な悪路走破性を持ち合わせたクルマです。最近ではキャンプ場とゲレンデでもっとも“映える”クルマとしても知られ、アウトドアブームとともにここ日本でも大人気を博しています。その人気さゆえ、リセールの高さも話題になり、5年後でも60%を超える残価率といわれる時もありました。

そんなラングラーのMCモデルでは、まずグレード改正による価格改定が話題になりました。現行型が登場した18年当初は500万円台から選べたラングラーでしたが、ほかの輸入車と同様、昨今では物価の高騰や為替の影響で徐々に値上げせざるを得ない状況となっていました。MC直前では、全グレード800万円オーバーの価格帯まで高騰していたことには驚いた人も多かったのではないでしょうか。

しかし時代に逆行する形で、このMCでは値下げを敢行し、800万円を切る価格を設定しました。スポーツというスタンダードなグレードではありますが、ADAS(先進安全運転支援システム)や最新インフォテインメントなどの人気装備は全グレードで標準化されていますので、ラングラーの魅力を知るには十分。この価格のテコ入れが功を奏したのか、MCモデルの受注は好調に推移しているそうです。

■見た目以上に効果的な改良

MCモデルの大きく変わったところはあまり多くありません。グレードはスポーツ/サハラ/ルビコンの3種類ですが、外観ではパッと見でMCモデルと判別するのは難しいかもしれません。フロントの7スロットグリルを囲うようにブラックのグリルサラウンドが追加され、サハラには7つのグリルスロットにシルバーの縁が付きました。そして、Aピラー付近に直立していたアンテナはなくなり、アンテナ機能はフロントガラスへ内蔵されています。

3グレードはそれぞれ装着するホイール&タイヤも違っています。スポーツには17インチホイールにオールテレインタイヤ、サハラには18インチホイールにオールシーズンタイヤ、そしてルビコンには17インチホイールにもっともハードコアなマッド&テレインタイヤが、それぞれ装着されます。

室内に乗り込んで真っ先に目に飛び込むのは、横長の大型ディスプレイへと進化したインフォテインメントシステムでしょう。12.3高解像度ディスプレイを備えた「Uコネクト5」と呼ばれる最新システムは、スマートフォンの接続機能にももちろん対応。今までの荒い画面とは無縁の高解像度ミラーリングを可能としています。加えて、Apple Carplayではワイヤレス接続ができるようになりました。

フロントシートに電動のパワーシートが装着されたこともトピックです。上位のサハラとルビコンに、12ウェイのパワーアジャスタブルシートが与えられます。これはラングラーとしては初採用となる装備です。シート表皮はサハラが合成皮革、ルビコンがナッパレザーとなります。スポーツにはパワーシートではなくマニュアル調整が設定され、表皮はファブリックのみ。シートヒーターは全グレードに標準装備されています。

安全面でも進化しています。先述のADASに加え、サイドカーテンエアバッグも全グレードに標準装備。すべての屋根が脱着できるラングラー用に、新たにロールバーへ内蔵されたラングラーならではのカーテンエアバッグが装着されています。

■明らかに違う乗り心地

さて、いざ試乗してみると、公式に発表されていない部分が明らかに違うように感じました。今回の試乗グレードはルビコンがメインで、スポーツにも少し乗ることができましたが、その違いはどちらのグレードでも感じられました。明らかに横揺れが少なくなっているのです。試乗前、先代モデルに乗る機会に恵まれ、比較することができたのがラッキーでした。

ラダーフレーム構造のクルマには、モノコックボディ車ではあまり見られない横揺れが感じられます。これはラダーフレーム車の構造上の特徴でもあり、人によってはクルマ酔いしやすくなりますので欠点でもあります。この横揺れが、MC後のラングラーでは明らかに少なくなっています。これに伴い直進安定性が増していて、長距離移動がさらに楽になりました。この違いは、後輪近くに座るリアシートのほうが感じやすいかもしれません。

加えて、乗り心地も幾分ソフトに感じました。先代まではゴツゴツっと振動を伝える場面もありましたが、それが少なくなっています。サスペンション付近の変更は正式にアナウンスされていませんが、明らかに違いを感じられる部分でした。特に先代から乗り換える人には強く感じられるでしょう。

100kmほど高速道路を走って燃費も測定してみました。一番タイヤがゴツく抵抗の大きいルビコンでしたが、90km/hで巡航したところ11.6km/Lをマークしました。数値自体は現代的な性能ではないかもしれませんが、2.0Lのターボエンジンで2トン以上の重量級ボディを動かしていることを考慮すれば上出来ともいえるでしょう。ACC(追従型クルーズコントロール)を使って走ることもできるため、先述の直進安定性も相まって長距離移動は楽に感じました。

■リセールは相変わらず高値キープ

2.0Lの直4ターボは、低回転域からトルクが立ち上がる使いやすい特性を持っています。高速道路の巡航だけでなく、普段の一般道を走行する際にも扱いやすさを感じることができるでしょう。ボディの大きさを把握しやすい良好な視界とともに、日本の道路事情でも扱いやすく、アメリカ車のなかでは税制面でも優遇されています。ボディを大きく感じる場面もあるかもしれませんが、オフロードまで安心して走ることのできる心強い相棒になるでしょう。

さて、見た目以上に進化の度合いが大きく感じた新型ラングラーですが、こと値下げに関してはユーザーの若返りをステランティス側は狙っているようです。とはいえ799万円からという高額のSUVですから、30代以下の若年層でも購入できる人は限られてくるでしょう。そうなると、人気が上がるのは中古車。実際にリセール率の高さはジープブランド内でもダントツに高く、ラングラーは値崩れしにくいクルマとして知られています。

買取相場は依然として高値キープの状況です。しかし、価格の変動はいつ来るかわかりません。売却を考えている人は、しばらく安定している相場に安心することなく早めに決めてしまったほうがいいでしょう。

<文&写真=青山朋弘>


■ラングラー アンリミテッド ルビコン(4WD・8速AT) 

主要諸元
【寸法・重量】
全長:4870㎜
全幅:1930㎜
全高:1855㎜
ホイールベース:3010㎜
トレッド:前1635/後1635㎜
車両重量:2110㎏
乗車定員:5人

【エンジン・性能】
型式:N
種類:直4DOHCターボ
総排気量:1995cc
ボア×ストローク:84.0×90.0㎜
最高出力:200kW(272ps)/5250rpm
最大トルク:400Nm(40.8㎏m)/3000rpm
使用燃料・タンク容量:レギュラー・81ℓ
WLTCモード燃費:9.2㎞/ℓ
最小回転半径:6.2m

【諸装置】
サスペンション:前後コイルリジッド
ブレーキ:前Vディスク/後ディスク
タイヤ:前後255/75R17

【価格】
889万円(消費税率10%込み)


この記事を書いた人

TomohiroAoyama

青山朋弘

新車専門誌、中古車専門誌、モータースポーツ誌などの編集部を経て、
現在はフリーランスの編集&ライター。
自動車専門誌やWebサイトに寄稿しながら、YouTube動画の撮影・編集も行う。
愛車は10年前に走行5万kmで見つけた、NA型ロードスターの初期型。
趣味のMTBをどうやって積むのがいいか、常に試行錯誤している。

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