■スタートは100台の抽選販売!
2023年に創業55周年を迎えたミツオカが、23年11月に突如発表したコンセプトカー「M55 CONCEPT(エムダブルファイブ コンセプト)」。古き良き時代のフォルムをまとったスポーツカーコンセプトは、大きな反響をよびクルマ好きのなかで話題になりました。
その反響の大きさは、実際に足を運んで見に行った人の多さにも表れています。東京・麻布のショールームで開催された18日間の特別展示会へは1050組、富山ショールームでも14日間で500組の来場者を記録。特設サイト公開中には、市販化熱望の応援メッセージが1300通を超えたそうです。
そして、デビューからちょうど1年経った24年11月22日、多くの人々の希望に応える形でついに市販型の「M55 Zero Edition(エムダブルファイブ ゼロエディション)」が発売となりました。
M55 Zero Editionは、まず25年中の生産分を100台限定で販売。100台すべてが抽選販売となり、応募受付はミツオカの販売店で25年1月19日まで行っています。ただし、受付期間内に応募者が350名に達した時点で受付は終了となりますので、購入希望の人は急いだほうがよろしいでしょう。過去に販売されたアメリカンレトロなクルマたちも、早々に枠が埋まっている前例から、M55 Zero Editionも同様のことになるのではと予想されます。
■単色展開の硬派仕様? だけじゃない?
そんなM55 Zero Editionですが、前年にお披露目されたコンセプトカーとほぼ同じ出立で登場してくれました。現行型ホンダ シビックをベースに、フロントやリアの造形を大きく変え独自のデザインを構築。1970年代風のレトロスタイルを見事に実現しています。グレードは1.5Lターボのモノグレード展開。トランスミッションは6速MTのみとなり、ボディカラーもレジェンダリーグレーメタリックの1色のみとなります。
Zero Editionの特別装備として、専用の鍛造アルミホイール、Zero Editionの刺繍入り専用本革シート、Zero Edition専用エンブレムが与えられました。コンセプトカーにも備わっていた専用のリアスポイラーとリアガラスルーバーも標準装備。この2点はレトロスタイルを印象付けるアイテムなので、オーナーも嬉しい装備といえるでしょう。
MTのみ、グレーのみで、価格が808.5万円となると、いくら欲しいとは思っても二の足を踏む人もいるかもしれません。しかし、限定100台となるとすぐに完売してしまいそう……。そう考えることも間違ってはいません。ただ、今は買えないけど後々はと考えている人にとっては、発売のリリースに書かれた「順次CVT、e:HEVをベースにした追加モデルの投入も検討」の文言には心躍らされるでしょう。
実際ミツオカの広報に伺うと、まだ決定ではないと前置きされた上で「限定車で終わりではなく、プロパーのカタログモデルとしてラインナップに加えられるように検討している」との言葉もいただけました。ということは、グレー以外の色も購入できるときが来るのかもしれません。2ペダルモデルも同様に期待して一報を待ちたいところです。
■あの頃を思い出しながら……
オープン2シーターのロックスター、SUVのバディに続く、3台目のアメリカンレトロな新型車M55 Zero Edition。またひとつ、ミツオカのラインナップに魅力的な1台が加わりました。
古き良き時代のクルマに思いを馳せながら、もう一度愛車でのドライビングを楽しみたいと思っているひとには、うってつけの1台となるでしょう。ファーストエディションともいえるこの貴重な100台の限定車「M55 Zero Edition」を購入できるラッキーな人は、あなたかもしれません。
<文=青山朋弘 写真=ミツオカ>